「気が向いたら…」



ああっ、あたし…なんて可愛げのない。



素直にうんって言えばいいのに。



「向かせてやろうか?朝、起こしに行く」



「ええっ、いい!やるから、自分でやります」



本当に来ちゃいそうなんだもん。



「そか。いつでも呼んで」



ニコニコしている陽向くん。



突撃してこないよね?



「泊まっていけば?」



はい?



横からお母さんが嬉しそうに入ってくる。



「やー、今日はいいっす。またそのときはお願いします」



陽向くん、ヘラヘラしてるし。



「そうだよ!隣の家なのに泊まる意味わかんない」



「けどさ、小さい頃は何度かお泊まりしたよな。千衣が俺の布団に潜り込んできてー」



「うそっ、そんなのウソ!」



覚えてないっ。