「先輩…山下さんを追いかけて下さい」



これが浮気なのかどうか、あたしにはわからない。



先輩のこともよく知らないし、この女の人のことも。



それでもきっと、山下さんに嘘はない気がするんだ。



男の子との噂もほとんどなかったし、さっきの顔…なんだか悔しさでいっぱいに見えた。



疚しい気持ちでここにいたとしたら、きっとあんな顔しないはず。



「やー、もういいわ。あの子秘密主義なんだよ、言えっつの。それにいつも友達優先するしな。俺だって暇じゃねーんだよ」



「だからって…」



他の女の人と一緒にこんなのってない。



あたしが泣きそうだよ。



こんなの絶対に辛いはず。