まさかの莉緒も兄と一緒で仁くんのことをよく思ってなかったという。


まだ兄の方が最初から敵対心むき出しだったからマシだよ……。


「莉緒、もういいから。
私たち帰るね?」


「えーっ!帰っちゃうの?
じゃあこの男に何かされたらすぐ言ってよね。


私がこいつを排除しに行くから!」


……いやいや、怖いよ莉緒。
目が笑ってない。


「大丈夫だから!心配しなくていいよ!
ほら、仁くん行こう?」


とりあえず頭を整理したくて私は仁くんの手を握り、莉緒の楽屋を後にした………。