「ま、待ってよ莉緒ちゃん。
さすがに俺がやりすぎた、反省する。


だから辞めるとか言わないでくれよ。」


ここでまさかの立場逆転。


「は?無理。
じゃあお前がやめろ。じゃないともう戻らないから。


この後社長と直接相談してくるから。
お前を辞めさせるか私を辞めさせるか。


これからのこの事務所のことを考えたらどうなるか一目瞭然だけどね。」


莉緒はすごく冷たく怖い目で佐久田さんを睨んでいた。


「そんな冗談はやめてくれよ……」


「もう泣き叫んで土下座しても遅いから。お前はそれくらいのことをしたんだから。」


そう言って莉緒は私の方を向いた。


「ごめんね、お姉ちゃん。
不快な思いをさせて。とりあえずこのエロオヤジの前から去ろっか。」


その時の莉緒はもういつも通りだった。


…………そして私は気づくいた。
血は争えないことに。


それに加え、莉緒から仁くんと同じヤンデレ要素の雰囲気を感じたことに…………。