「それでは撮影始めます。
まずは……」


どういうポーズで撮るのか説明されるけど頭に入らない。


隣にいる仁くんを意識してしまうのだ。


「美桜……さっきは全然緊張してなかったのに、今緊張してないか?」


低い声で私の耳元で囁く彼。


「………っ、別に緊張してないから……」


やばい。
顔があつくなる。


カメラのシャッター音が聞こえるけど、こんな照れてる表情を撮られるなんてごめんだ。


だけど意思に反して緊張は高まるばかりで………


「幸せそうですね。」


とカメラマンに言われてしまう始末。