「気にしないで大丈夫だよ。」
仁くんは表の顔で莉緒に笑いかける。
悔しいけどこれがまたかっこいいんだよね。
「じゃあこっちです。」
莉緒はその後すぐに私たちを撮影場所まで連れ、そこで社長の次に偉いという人に会った。
「俺は一応今日の責任者の佐久田(さくた)です。君が莉緒ちゃんのお姉さんとその彼氏だね?
いやぁ聞いてた通りすごく惹かれるくらいの容姿だね。芸能人も夢じゃないよ。」
佐久田という人はすぐに私と仁くんを気に入った。
そして早速用意された服に着替え、撮影現場に入ると……
「すごく綺麗…」
「あの人かっこいいね…」
普段、美男美女を見慣れている人たちでさえ私と仁くんに見惚れていた。
ふんっ、そりゃそうでしょ。
私たちは誰もが認める美男美女カップルですから。