ねぇ、神様。
もし居るのなら次は、もっと
まともな人間にしてほしい。

誰かに愛されるような……そんな人間に。

死のう。
ここから飛び降りたら確実に死ねるわよね。
この崖なら……。

私は、遠い海辺に来ていた。
目の前には、崖がある。

「あなた、こんな所で何をしているの?」

すると1人の女性が私に声をかけてきた。
振り向くと喪服を着た綺麗な中年女性だった。

「………。」

死のうとした人に何をしているのと聞かれても
返答に困ってしまう。

喪服を着ているってことは、誰かの葬式か
墓参りだろうか?

どちらにしても私には、関係ないけど

すると中年女性が私に

「そこに居るって事は……もしかして
死のうとしたの?」

そう言って尋ねてきた。