「それで春花を家族として
一緒に住んでもらおうと思うのだけど……和也。
いいかしら?」

奥さんが和也さんに尋ねた。

「俺は、別に構わないよ。事情が事情だし
それよりも問題は、杏梨かな。
アイツ。そういうのにうるさいから」

「そうなのよねぇ~」

ふぅっ……とため息を吐く奥さん。

意外とすんなりと和也さんって人は、
受け入れてくれた。

やっぱり同じ境遇なのかしら?

すると旦那さんが

「それより……和也。さっきから
杏梨の姿が見えないけど今日は、スタジオに
お迎えに行ったではないのか?」

杏梨ちゃんが居ない事に気づいた。

「あ、やべぇ!?すっかり忘れてた。
部屋で仕事をしてたから、杏梨怒っているだろうな。
ちょっと迎えに行ってくる」

慌ててソファーから立ち上がった。