「さぁ、春花。入って」

奥さんが私に入るように言ってくる。

呼び捨て……。

そうか。もう始まっているんだ!?
家族ごっこが……。

私は、初めて自宅に踏み込んだ。
中身も綺麗に片付いていて広かった。

「ただいま~和也居る~?」

奥さんが息子さんの名前を呼んだ。
すると階段から1人の男性がおりてきた。

「お帰り。ってきり夕食は、
食べて来るのだと思っていたけど早かったな」

嘘っ……カッコいい。

おりてきた男性は、
年上のカッコいい人だった。

「ちょっと色々あって早く帰って来たの」