女性は、私の手を受け取ると
ニコッと微笑んだ。

「そういえば、自己紹介がまだだったわね。
私は、成瀬志穂よ。あなたは?
年は、いくつなの?」

成瀬志穂さんって言うんだ。

「私は、西森春花。17です」

「あら、可愛い名前ね。
漢字は、どう書くのかしら?」

「春に花と書いて春花と言います」

唯一親から貰えた名前だ。

「そう。じゃあ春の花のように
愛らしい子に育つようにって意味かしらね?
素敵な名前だわ」

フフッと笑う成瀬さん。

そんな風に付けてくれてたらいいけど……。

すると誰がこちらに近づいてくる。
見ると紳士的な中年男性だった。

「話は、終わったかな?」

「あら、あなた。丁度いい所に。
聞いて下さいよ。新しい家族が出来たのよ」

成瀬さんは、そう言いながら私を見せてきた。