「…よく言った。その覚悟この青観、生涯忘れる事はなかろうぞ。」

幾分か経って王は口を開いた。そして、続けるように命をくだした。

「姫よ、そなたに命を与える。我ら灯国の為に……死んでくれ、舜英。」

余りにも非情な命に王は苦虫を噛み潰したような顔をした。
それを目の当たりにした舜英は、にっこりと笑って

「そんなお顔をなさいますな、陛下。これは私の望みでもあります。どうぞご容赦など王が持たぬように」

そう、王に諭した。
王も舜英のそんな顔を見て、少しだけ頬を緩めた。

「おい!何をする!待て!」

親子の時が静かに流れていた王室に扉の外から激しい声が響いてきた。

「何事であるか、呂粋。」

王が宦官である呂粋を呼ぶと、扉が突然開いて、女が転がり込んできた。