「……あなたは、妃である潤蘭様のお命を奪われた。今度は娘ですか。」
いつもより倍くらい低い声で国王を嘲った。
しかし、国王は目を伏せ白扇の言葉を甘んじて受け入れていた。白扇に恨まれていることは妃である潤蘭が病死したときから知っていた。
白扇の言葉をひとしきり聞いたあと国王はもう一度口を開いた。
「白扇。そなたにはもう一つ授けたい命令がある。」
「殺すこと以上になんの命があると言うのですか!!」
気がつくと白扇は感情的に叫んでいた。
そんな白扇を前に国王は冷静に
「今一度王命を下す。我が娘舜英を殺し、そして………守れ。」
そう告げた。
国王の矛盾した命に白扇はもちろんの事呂粋すらも目を丸くし、首を傾げ、眉を寄せた。
「あ、あの陛下?それは一体……舜英様は災となる前に殺すと決められたのでは?」
呂粋が素っ頓狂な声で尋ねた。
「……先程、舜英の侍女が言ったことは間違いではない。確かに舜英はこの国を更に良い方へ導く賢王となる。しかし、今この大陸の状況に置いてあれをこの国へおいておくことはすなわち命を狙われるということ。舜英を完全に守り切るには一度死んでしまった事にするのがより確実な方法なのだ。」
いつもより倍くらい低い声で国王を嘲った。
しかし、国王は目を伏せ白扇の言葉を甘んじて受け入れていた。白扇に恨まれていることは妃である潤蘭が病死したときから知っていた。
白扇の言葉をひとしきり聞いたあと国王はもう一度口を開いた。
「白扇。そなたにはもう一つ授けたい命令がある。」
「殺すこと以上になんの命があると言うのですか!!」
気がつくと白扇は感情的に叫んでいた。
そんな白扇を前に国王は冷静に
「今一度王命を下す。我が娘舜英を殺し、そして………守れ。」
そう告げた。
国王の矛盾した命に白扇はもちろんの事呂粋すらも目を丸くし、首を傾げ、眉を寄せた。
「あ、あの陛下?それは一体……舜英様は災となる前に殺すと決められたのでは?」
呂粋が素っ頓狂な声で尋ねた。
「……先程、舜英の侍女が言ったことは間違いではない。確かに舜英はこの国を更に良い方へ導く賢王となる。しかし、今この大陸の状況に置いてあれをこの国へおいておくことはすなわち命を狙われるということ。舜英を完全に守り切るには一度死んでしまった事にするのがより確実な方法なのだ。」