「えー、んまぁ、今日から一年A組の担任の佐々木庸介という者です。あー、若い先生に入ると思うから気軽に話しかけてくれな。んじゃあ、よろしく。」
「ハイハーイ!先生質問でーす!何歳なんですか〜?彼女いますか〜?」
「27でーす。彼女はいませーん。」
「あっ、じゃあ好きなタイプはなんすか先生!?」
「んー。好きになった人がタイプですね。」
次々と質問が飛び交う教室。

「…さて、じゃあ全員自己紹介でもするか!はい、一番端のお前からなー。」
次々と自己紹介が進み、ついに私の番になった。
「えーっと…」
どうしよ、先生のことずっと見てて何も考えてなかった。
「おー?まさか何も考えてなかったのかー?思いついたことを言えばいいぞー。」
先生が私を見てる!話しかけてる!
思いついたこと…思いついたこと〜…!
「はじめまして!一目惚れです!初恋です!先生のことが好きです!」
…よし、言った!全部言った!
……シーン……。
あれ?静かだね?
「…ちょっ…あははっ、お前みたいな奴はじめてなんだけど?…くくっ、面白いな!」
ああああああああ!!告白してしまったのか私!
「すっ、すみません!思いついたことを言っただけなんですけど…とにかくすみません!あー、もう!時間よ戻れ!開けゴマ!」
…なんか訳が分からなくなってきた。
「時間戻らねぇし、開けゴマって…あはははっ!…はぁー、腹痛い。で、名前は?」
「えっと…二宮花子です。皆さん仲良くしてください…」
「よーし!この面白い二宮と仲良くするように!」
「はーい!言われなくてもそうしまーす!」
…急にまた元気になったね皆さん。
「はい、じゃあ一旦終わりな!時間まで自由にしてていいぞー。」

…やってしまった。こんなはずではなかったんだが…!!
「花ちゃん、凄く面白かったよ♪」
「花、逆にこれは友達を作るキッカケになったんだから良かったじゃん。」
「葵ちゃん…秋…!!」
「あーっと、えーっと?二宮花子、ちゃんだっけか!?すげー面白かった!なぁ、良かったら友達になってくんねー?俺は吉川祐希!祐希って呼んでな。よろしく!」
「あ、はい!喜んで!花って呼んでね、よろしく!」
…そうか、こういうときはポジティブに考えなきゃね!うんうん!

……でも、告白したんだよね私…どうしよ…。