俺は良く桜の木を見に行っていた。


あの木を見ていると、なんだか心が安心する。


そんなある日のこと。
俺と同じように桜の木をじっと見つめる女の子がいた。



それから、何度か彼女を見かけた。
多分、俺と同い年ぐらい。




彼女は、桜の木を見つめている時とても寂しそうな顔をしていた。不思議だった。普通は桜が咲いたら嬉しい気分になるはずなのに、彼女の顔は泣きそうだった。




なぜだか、心惹かれた。




そして、あの日彼女に話かけたんだ──