資料の枚数は多いし、この数字が連なっているのは何なんだろう?


「その文章、分かりやすいようにまとめておいて」


え。待って。これを纏めるの?私が?
返事のない私にいらついたのか長谷川さんが
大きな声で私の名前を呼ぶ。

もしかしなくても怒らせた?


「あのさぁ、君をここまで育てたのは誰のおかげだと思ってるの?」

みんなに聞こえるようにわざと大きな声を上げる長谷川さん。
これ以上怒らせたらまずい。

「申し訳ありません。すぐにやらせていただきます」


有無を言わせない程素早く言うと長谷川さんはだよね
と笑顔で言った。

受け取ると同時に朱理に言われた資料を渡した。
長谷川さんはそれを顔をしかめながらパラパラと捲ると机の
端に投げるように置いた。
朱理がやった仕事なのに。


「ん、何?」

「いえ。何でもありません」


「あ、そうそう、10時からのミーティング、今日は有川さんが
出席しておいて~」


「え?」