ワントーン高めの声で興奮状態で私たちの話に入ってきたのは
同じく同期の白石初子。
常に男性社員をデーター化している彼女は
社内の情報屋とも呼ばれている。


「初子はどこにでも入ってくるね」

「当然でしょう!ねね、どんな人か知りたくない?」

「全然」

「えぇ!何で~?」

「だって興味ないもん。朱里もでしょう?」

「まあね」

「朱里はともかく。都子って何でそんなに男に興味示さないのよ...まさか」

「初子、その続きを言ったら怒るよ」

「やだ、都子こわい~~~」


全く反省つもりはなくむしろ態とらしく朱里の後ろに隠れた。
男の人に関しては興味がないわけじゃない。
大学でも、社会人になってからも、
彼氏がいなかったわけじゃない。
だけどこの人じゃないとダメっていう人とは出会えなかった。
あーでもない、こうでもないと賑やかに話す2人と別れ
オフィスに入る。