「気にすんなよ…琴乃」

『うっわぁ!いきなり呼び捨てぇ?熱いねぇーっ』


私はからかうように言った。

飯田は少し顔を赤らめた。


「やだ、飯田顔赤ーい!」


彩の発言で一噌顔が赤くなる。

どうしてここまで琴乃を庇えるのか不思議だった。

好きだから?

――私だったら好きじゃなくなる。

優しいから?

――ただのお人好しじゃん。


こんな最悪な考えばかりが浮かぶ私に、飯田の気持ちが解るはずもない。


『早くどけば?』

「……琴乃行こう」