前まではつかなかった

ベンチの隣の外灯がついた。

麟華の心とはうらはらに

暗かった公園が少し明るくなった。

目から溢れ出す涙はあざができている手の甲にこぼれる。

うっうっと小さく声をあげながらなく麟華に声がかかった。

「あの…。」

その声はまだ声変わりをむかえていない男の子の声だった。