「形振り構っていられるか」

またキスされた。

「せ、仙道、くん…」

息が続かなくて苦しい。

ようやく離れたと思ったら、強く抱き締められた。

「俺はこれ以上待てない。今すぐ浅沼が欲しい。後任が決まったら仕事辞めて俺と一緒に住む。お互いの両親に挨拶して結婚する。言っとくけど、絶対見合いなんかするなよ?」

「仙道くん…」

「結婚式は教会で浅沼はウェディングドレスを着ること。新婚旅行は海外に行く。俺が英語しゃべれるから心配するなよ?」

「うん」

ただただ何度も頷く。

いつの間にか涙が溢れて頬に流れ落ちた。

仙道くんはそれを優しく拭ってくれる。