この状況で余裕たっぷりでいられる仙道くんは凄い。

「そんなこと知ってる」

「だったら…」

「俺、来月本社に転勤になる」

「ほ、本社に!?凄い!おめでとう!」

本社に転勤って、さすが出世頭。

やっぱり仙道くんは凄い。

「つまり、俺はこの街を離れる。おそらくずっと本社勤務になる。配属先は経営戦略部」

「け、経営戦略部!?大出世じゃん!凄い!」

会社の中枢に配属ってことは、将来役員になる可能性がある。

本当に一握りの限られた優秀な人材が集まる部署だから。

「お買い得だろ?」

仙道くんは自分を指差している。

「お買い得って自分で言っちゃってる」

なんだか可笑しくて笑えてくる。