熱くなった顔を冷まそうと、パタパタと手で扇ぐ私を見て、仙道くんは楽しそうに笑って頬杖をついている。

「結婚式は教会でウェディングドレスを着て。新婚旅行は海外で。新居はマンションでも一軒家でもどっちでもよくて。子どもは2人か3人」

「ちょっと、一体なんの話…」

「浅沼が話してた内容」

「ゲホッ!」

思いっきりむせてしまった。

「大丈夫か?」

渡されたおしぼりで口元を覆った。

「だ、大丈夫。そんなことまで話したの?」

「目を輝かせながら話してたぞ」

「は、恥ずかしい…」

穴があったら入りたい。

いっそのこと、埋めてもらいたい。