「うん、そのつもり。今日課長に退職届を出したの。すぐには無理みたいだけど、後任が決まり次第って感じかな。私もそれでいいって了承したし」

「そうか」

仙道くんはビールを飲みながら、静かに話を聞いてくれている。

「この街には思い出がありすぎて辛い」

「あぁ」

「同じ会社っていうのも、ね…」

「そうだな」

「よくわかったね、私が実家に戻って見合いするって」

「酔い潰れた時にそんな話をしただろ。結婚願望が強いって」

「う、嘘!?」

そんな話、仙道くんに話しちゃったの!?

恥ずかしすぎる!

「まぁ、あれだけ酔い潰れてたら覚えてないよな」

「ごめん」

絶対私の顔、赤くなってる。

お酒のせいじゃなくて、恥ずかしすぎて。