私たちは、もちろん高校に行く気は無かった。
でも、施設に入所している限り
高校受験は、絶対に避けて通れない道だった。
「美希が受けるなら、わたしも受けようかな」
『別にそんな事まで付き合わなくて良いよ』
「美希がもし受かっちゃったら、私卒業後1人じゃん!」
『そもそも、出席日数すら足りてないのに受かるわけないじゃん』
どうやら、春華も私に付き合って受験するらしい。
私たちは、市内で1番の馬鹿校を受けた
結果は、2人揃って見事合格。
ただ、この合格は施設の先生と高校の先生のやり取りがあったと、後で聞かされた。
いわゆる〝コネ〟だ。
美希だけ受かっても、すぐに中退すると考えた先生は
仲の良い春華も一緒に合格させたと聞いた。
(こんな事って本当にあるのか...)
『受かったし行くしかないよね。ごめんね、春華』
「美希もいるし全然いいよ!嫌なら辞めるし!」
私たちは、先生達の思惑通りに動いた。