最後の手紙。


封を切って私はすごく後悔した。


私が読むものじゃなかったんだ


そんな事最初から分かってたのに、今更それを痛感するなんて、やっぱり馬鹿だな…


この手紙、返さなきゃ…


でもどうやって?


考えてもいいアイデアが浮かばない…




「ボーっとしてどうした?」


授業が終わった事にも気付かずに考えてた私に、楠君が優しい笑顔で話し掛けてきた。


今までで一番胸が痛い。


「悩み事?」


私は黙って頷いてた。


「ふーん…
どんな?話してみたら意外にあっさり解決するかもよ」


子供みたいに笑って言ってくれた。


鼻の奥がつーんとして、涙が出そうだった。


話してしまえたら楽になれるかな?


話してみようかな…


私は内容を変えて話をする事にした。


楠君は黙って話を聞いてくれた。


それが自分の事だとも知らないで…


罪悪感で胸がキリキリ痛んだ。