片思い彼氏scene.教習所



それから1、2週間経ったころ――、


先生からメール来た夢をみた…。










目が覚めるまで夢なんて疑うものはなかった…



鼓動もリアルで



携帯の着信も設定したもので




画面には『遅くなってごめん!登録をよろしく!』って




本当にリアル(現実)を感じるものだった。




目に見えない繋がりは



どれほど期待を裏切れば気が済むの…?





卒業後1ヶ月…そして2ヶ月が過ぎた。



だけど先生からは連絡はなく



ただひたすら待つのみだった……



だけど連絡が来ないのは忙しいからと言う理由じゃないのは


嫌でも分かってきた。







でも













来るかもしれない…



明日こそは来るかもしれない……!








そんな希望が自分の中では消えなかった。





心は一筋の光を待ってるの…




ねぇ先生……




私まだ待ってていいの?





こんなんじゃ諦められないよ?








返事がほしいの…








友達になりたいなんて見え見えの口実…



あなたを手に入れたい








全力であなたに伝えたい




…だから私にまだチャンスを下さい




返事くれないならNOじゃないって受け取りますよ…?










そして答えが出されるまで絶対に諦めない!




好きって言葉が目の前にあっても


言えない時がある。




なんで言えないかって


言い訳ならいっぱい出て来るよ……





先生…


私結局卒業まであなたのこと何も知れなかった。





やっぱり片思いは切ない…






大きな転機が訪れたのは卒業してから3ヶ月経った時だった……。




――2月終わり


専門学校での卒制が完成し、卒業を迎えるだけになり


筆記試験…本験を受けに行った。



結果は合格…!




本当だったら真っ先に先生に教える予定だった…



だけど先生からの連絡はないまま、この日を迎えた…。






えりと留衣ちゃんに一斉送信。



――『筆記、合格!!』




えりは私のすぐ後に卒業したけど、筆記は就活でなかなか行く暇がないらしい…


一度行ったみたいだけど不合格だったみたいで、悔しがってた。



その夜えりから電話が掛かって来た。



『おめでとう!一発って凄いね~』


「ありがとう♪あっ、先生に報告はえりと一緒に行くから待ってるね!

だからえり頑張って!!」



『そうなんだ!じゃ頑張らなきゃ…』


「焦らないでいいからね!就活はどう?」


『うん…あっ就活はね、先週面接だった!

多分そこに決まりそうかな?』



「おっ!凄いじゃん!!」


『そろそろ返事くるから決まったら言うからね♪

そしたら筆記もまた受けに行くよ!』


「次こそ合格だよ!今度、出たとこ教えるね」


『ありがとう♪』



その後は学校の話だったり、留衣ちゃんの話をして遅くまで続いた。






えりから連絡きたのはそれから数日後だった。




面接の結果は採用決定!




その次の日に本験も受けに行ったらしい。



…だけど合格まで1、2点足らず2度目の筆記も落ちたみたい……。



…残念…。


えりは人一倍頑張り屋だからその分ショックも大きいんだ…



次こそは!次こそは!で、何度も筆記を受けに行くけど



合格はなかなか出来ない…。






その状態が1ヶ月は続いた…





そして春の息吹が漂う3月始め――



私の片思いに『進展』と言う足音が起て始めた。





「――――合格!!」


「ぅえ?!!本当!!?」


「うん!!」



私に向かってピースするえり。



「やったーー!!おめでとうーー!!」



エヘヘと無邪気に笑うえりに、筆記合格したことを教えてもらった。



「ごめん待たせたね!

…よし!報告に行こうか♪」



「えっ?い、今から?」



「ううん!明日にしようか♪今日は弥生宿題がありそうだし…」



「宿題……?」



「明日先生と何話すかいっぱい考えなきゃいけないでしょ!(笑)」



「あっなるほどね…」



「でしょ?」



「…確かに~~(笑)」



考えなきゃいけない事もあるけどね…





ずっと決めていた事もあるんだよ。












これが憧れの恋とかじゃなくて本気で好きだって…




先生に分かってもらいたいから。





昼休みを狙って自動車学校に来た。



卒業して3ヶ月…




なにも変わってない。


変わるのは生徒達だけ…。



先生を好きになった子は印象を与えるためにいろいろ行動する…




たまたまこの学校は担当制だったから毎回先生を指名出来たけど…


中にはローテーションで変わったり、指名出来ない学校もある。




その中で好きな人と話したりして実らせようと頑張るんだ…。




「さぁ~て…呼び出してもらう?」



「まっ、待って…!!今になって心臓がバクバク…」




「今更だよ(笑)」




そう言ってえりと私は受付に向かった。



すると受付に、意外な人物がいた。





「ん…?君達…」




その人は私たちに気付くと近寄って来た。