そんなささやかな先生との時間
先生との会話が嬉しくて…
何回私は心の中で先生に「好き」って告白したんだろう!!
不安だけど信じる
これって難しい事だけど
この日は
不安な時は信じることを先生から学んだ日だった。
先生を好きになってから初めて夢を見た。
夢の中でも私とあなたは先生と生徒だった…。
これって偶然…?
それとも運命…?
夢の中でぐらい先生と生徒って立場は忘れさせてよ…
ねぇ…神様。
頑張ったらそのぶん
私は先生の為に笑えますか?
先生を好きな気持ちには自信があった。
だけど
また不安が襲った。
信じるって言ったのにね…
確証はないけど
これは
女の勘……
冬休みも間近に迫り、私には楽しみなイベントが近づいた。
クリスマス…?
ううん、違うよ☆
答えは1週間後に控えた専門学校の研修旅行♪
研修って言っても気分は修学旅行!
初めての海外旅行はドキドキさせる。
行き先はフランス!!
行ったことの無い国だし
本でしか見たことのない世界。
その郷の歴史を間近に触れられる…
なにより夢の海外だから♪
気分はウキウキテンションMAXで自動車学校に行った。
「先生!私今度旅行に行くんですよ♪」
「へぇ~何処に?」
「フランス~♪」
先生が目を大きくした。
「はっ?!海外?」
「はい♪専門学校の研修で」
先生が嫌味たらしく
「贅沢な…」
って車の窓枠に肘をつきながら言った。
先生きっと海外旅行したことないんだな…
って心の中で思った。
「何しに行くの?」
「………研…修」
「何の研修?」
「…………デザイン…?」
先生がプッて笑う。
「分かってないし…」
「あっ!多分名所をまわる…」
「それじゃあ観光じゃん!!」
ツッコミを入れられて、さっきから先生が笑いっぱなし…
「先生お土産買ってきますよ!!」
「ん?いいよ…気にしないで」
「ううん!買ってきます!!」
「そうか?…じゃあ」
「はい♪楽しみにしてて下さいね!!」
授業の終わりが近づき、自動車学校に戻った。
学校に着くと私は受付に行って次の配車の予約をした。
予定は旅行から帰ってきてる再来週辺り。
だけど、その最中に事件(?)は起こった…
「次はいつにしますか?」
受付のお姉さんが聞く。
実は残り授業回数は次で最後…。
そしたら卒検…。
だから最後の見極めも勿論先生を指名しようとした…
「……。卒検は水曜か金曜か…。再来週の…」
フッと先生の言葉を思い出した。
『卒検前日に見極め受けたほうがいいよ!』
じゃあ火曜か木曜だよね……。
でも火曜は旅行から帰ってくる日だから木曜かな…?
あっちょうどイヴだ!
「再来週の木曜お願いします!!」
受付のお姉さんが乗車スケジュールを見る。
「木曜ね…!…宮田先生じゃないけどいいかしら?」
「えっ!?」
とっさにお姉さんの言葉を聞き返してしまった。
「宮田先生…24日休みなんですか?」
「そうみたいよ!」
私はスケジュール表に書かれた先生の名前を見つけた。
確かに休日になってた…。
――ねぇ先生…。
なんでよりによって24日が休みなの?
クリスマス・イヴに休みって……
誰の為…?
しばらく頭がからっぽだった……
「山崎さん?」
受付のお姉さんに呼ばれてるのに気付いた。
「あっ………。じゃあ…別の日に変えます」
でもイヴ以外の日はバイトで余裕がない……。
年明けは卒制仕上げで毎日学校……。
私は迷った。
先生じゃない人で最後の授業を受けるか
それとも、いつ行けるか分からない最後の授業を先生で受けるか……
後方選んだら、いい加減先生にキレられそう……。
それに自校の期限は2月いっぱい…
年明けは……やっぱり無理かも…。