「もうすぐ点滴も終わるし、後は会計して帰るだけなんで。病院前からタクシーに乗りますし」
「会計は終わったわ。そんなんで、帰り際に何かあったらどうするのよ。責任もってちゃんと送るわ」
鈴木主任はきっぱりと言うが、水島総合病院からうちは比較的近いが鈴木主任の家からは逆方向になる。
時計を見ると21時近くなっていたから、尚更気が引けてしまう。
どうしようかと悩んでいると、おもむろに白いカーテンが開いた。
「鈴木さん、朝比奈は俺が送りますよ」
そこに居たのは、白衣姿の藤堂先生だった。
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