初めて知った晴斗の本音。

晴斗の顔は、泣きそうな顔をしていた。

「手術室に行く間も、ずっと美緒のことを考えていた。なにを考えるのも、美緒だった。美緒の顔から、離れられなかった。今回のことがあって分かった。恐怖、不安、寂しさ、涙、怒り……全部、楽しさ、安心、笑顔に変えてくれているのは、美緒なんだって……俺はもう、美緒がいねぇのは、いやなんだ……美緒と、離れるのはいやなんだ……」

「……!」

ーーポタッ

晴斗の目から、涙が零れ、頬を伝って、流れ落ちた。

晴斗は、両手を前髪に添えた。でも、あたしには分かった。

晴斗の目から、たくさんの涙が零れ落ちていることを。

ーーポタポタ

「くふっ……」

「晴斗……あたしは、離れないよ……」

「……っ!」

「晴斗から、離れたくない。あたしも、同じだよ?」

「……っ!美緒っ」

ーーギュッ