《胡桃STORY》

「美緒ー、トイレ行こー!」

「あっ、うん!!」

美緒、いつもより元気ないな?

「ねえ、胡桃ちゃん……」

「んー?」

なんか、聞きたいのかな?

「頭痛い時って、どんな時だと思う……?」

え……

みっ、美緒まさか!

ーーギュッ

「美緒!!頭痛いの!?」

「……へ?」

いやいや、へ?じゃなくて!

「ちっ、違うよ?本だよ?」

「ほっ、本?」

「そう!!殺人トリックに関わるかもしれないの!」

「推理小説?」

「そうそう!!」

嘘だ。

本じゃない。

まず、答えよう……

「そうねぇ……まずは、風邪ね。それから、怪我。当たり前か……それから、本当か分からんけど、記憶を取り戻す時ね。それに、睡眠薬を飲まされた時。そして……ーー」

美緒、傷つかないでっ……

「病気の時」

「……!」

微かに反応した。

やっぱり、本じゃないわ。

「病気……?」