《晴斗STORY》

「くっ、胡桃ちゃん!!」

全く、草木の奴……

ーーズキッ

「うっ……」

頭に痛みが走った。

「どうしたの?」

美緒が心配そうだ。

なんとなく怖かったから、足を蟻に噛まれたことにしよう。

美緒は“納得いかないなぁ”の顔をしてたけど、信じてくれたみたいだ。

俺達は、教室に向かっていた。

でもなんだったんだろ、あの痛み。

「……!」

まっ、まさかなっ……

ただの風邪だ……うん……