部活も終了時間
「おーし、自主練するなら8時までなー」
新入生の1年生達も最近は自主練にも残るようになってきた
もう少ししたら合宿もあるし
1年生達には体力作りしてもらいたいし
ちょうどいい感じだな
キャプテンになってから
いろいろと考えることが増えてきた
細かいデータとか纏めるのは苦手で、
副キャプテンに頼んじゃってるから
俺は実力でこのチームを引いていかないといけない、
全国制覇が目標なんだ、
やるしかない
去年のキャプテンもこのプレッシャーとか背負ってたのかな、
「あー、考えたくねぇ、
あちー、、、」
モヤモヤしてドリブルしてダンクする
タオルで汗を拭い、
Tシャツの裾をパタパタと仰ぎながらドリンク飲もうとしたけど、中身空になっちゃっていた
自販機に買いに行こうとすると
ソウタとリョウ、リンが付いてきた
「先輩!オレも行きます!」
リンは2年生、チームの2年生を陰ながら纏めている。ありがたい。
パタパタと来てたまに犬の耳と尻尾が見える
ソウタとリョウはクラスメイトでありチームメイト。
「ソウタ先輩もリョウ先輩もイケメンなのに彼女いないとか嘘ですよね」
「あはは!ガチだよ」
「まじまじ」
「祐希先輩も彼女いないってほんとですか?」
「おいリン、グサグサ刺さってくるからもう黙って。泣きそう」
「え?え!?」
キレイな音色が聴こえる
「あ、この曲知ってる有名な曲だよね」
隣でソウタが聞こえてくる音に合わせて歌っていた
6台も並んでいる自販機がある所に歩いてくと自販機の前に行くと制服姿の女の子の後ろ姿が見えた
自販機の光で金色に光ってるサックスが見えた
あれ?あの後ろ姿、、
「天川ちゃん?」
「え?」
振り向いた女の子はやっぱり天川ちゃんだった
「あ、倉持くん、おつかれ」
変わらずふにゃっと笑いかけてくれた
天川ちゃんの笑顔見たら
モヤモヤしてたのもスッキリした
天川ちゃん見てるとこっちも笑顔になれる
「あ、ごめんね自販機使うよね、」
すすっと横にずれた天川ちゃん
「あ、大丈夫だよ、」
「天川さんだ、」
ソウタもリョウもスポドリ買ってじっと天川ちゃんを見ていた
「ん?」
リンは顔赤くしちゃっている
「えーと、ソウタ君とリョウ君だよね、倉持くんに教えてもらったんだ!
クラス一緒だったから、あ、ごめん!下の名前で呼んじゃって、」
「「いえ!ぜひそれで呼んでください!」」
2人して涙流して喜んでる
「天川ちゃんもちゃんと水分取れよ?ほら」
スポドリ渡すとありがとうって受け取ってくれた
「あ、お金、」
「いいよ、あの喫茶店教えてくれたお礼だと思って。ね?」
そう言うとむむむ、って顔して
わかったありがとうって
ぽんぽんと頭撫でるとふふっと笑ってる
「え、お2人付き合ってるんですか?」
「「え?」」
リンが横からこっちを見てきた
俺と天川ちゃんは顔合わせて、リンを見た
「いや、お2人仲良さそうに見えたし、
恋人なのかなって思いまして、」
天川ちゃんの頭に手乗せたまま肩並べる
「仲はいいよ」
「でも恋人同士ってわけでは、」
顔真っ赤にしてリンの質問に答える天川ちゃん
「、でも倉持くんの彼女になれた人は幸せかもね、優しいし、誠実だし、」
耳まで真っ赤にして褒めてくれる天川ちゃん、
耐えられん、恥ずかしい
「天川ちゃん、恥ずかしいから、ストップ」
「え、あ、ごめん、」
「キャプテン、話してる時愛おしそうか顔してるんですもん」
「リン黙れ」
「うぃっす」
「あーあ、祐希のせいで彼女欲しくなってきたわー、天川さんとイチャコラしやがって」
「ソウタくぅぅうん!?俺のせい!?」
「天川さん、また明日ね」
「うん、また明日」
リョウに手を振ってる天川ちゃんの顔覗き込んで見ると
また顔真っ赤にした
「また明日な、おやすみ」
「おやすみ倉持くん」
天川ちゃんと喋ったらなんか、
モヤモヤ考えてたのか消えてった