あたしの自慢だった髪の毛が一瞬にしてなくなってしまった。


床に散らばった髪を見てあたしは茫然としていた。


座り込んだままなにもできない。


鏡で見せられた自分を思い出すと発狂してしまいそうだった。


「あたしは可愛い。あたしは可愛い。あたしは可愛い」


ブツブツと呟いて学校内での出来事を思い出す。


あたしが登校すれば沢山のクラスメートたちが集まって来る。


何もしなくても、勝手にノートをとってくれる友達。


登下校中に1人になったことなんてない。


いつも誰かが一緒にいた。


あたしの我儘は必ず誰かが聞いてくれて、部屋に戻ると冬夜がいる。


「冬夜……」