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校舎裏をそっと覗くと、そこに初美と田中君の姿があった。


あの後こっそり2人の後を付いて来たのだ。


「あれはどう見ても告白だね」


小さな声で真弥がそう言った。


「そうだよね」


人の告白現場を見るのは初めての経験で、自分のことのように緊張している。


「だけど初美と田中君って面識ないよね?」


真弥の言葉にあたしは頷いた。


「たぶんね。田中君の方は有名人だけど、初美は普通だし」


2人は何か会話をしていて、時々笑い声が聞こえて来る。


すごくいい雰囲気に見える。


「なに言ってるのか聞こえない」


真弥が苛立ったようにそう呟いた時、初美が体の向きを変えてこちらへ歩き始めた。


手にはスマホが握られていて、スキップをするように軽快に歩いてくる。