この中の1人でも彼氏になってくれればいい。


その程度の気持ちだった。


1時間ほどファミレスに座っているだけで5人分の連絡先を聞く事ができた。


カッコよくてお金になりそうだった男の名前だけはしっかりと覚えているが、他の男たちの名前はもう覚えていなかった。


窓の外のロータリーにはナンパ待ちの女の子たちが集まて来ていたので、あたしはファミレスを後にした。


車を持っていればそれだけで少し金額が変わる。


あたしは高級車が停車していないか品定めをしながらロータリーを歩く。


「ねぇねぇ、君高校生?」


すぐに声をかけてきたのは黒い車に乗った男だった。