顔と顔の距離が相手の息遣いを感じるほどに狭まり、目と目が合えばもう、リリアは引き寄せられるように自分の唇をオルキスのそれへと近づけていく。

リリアの動きに呼応するように、オルキスの手もリリアの腰から背中、そして後頭部へとゆっくり上昇する。

自分からすることに対しての恥ずかしさに身体を熱くさせながらも、リリアはぎこちなくオルキスに口づけた。

あまりにも拙い触れ方に、オルキスの唇が弧を描く。


「もう一度」


甘い要求にリリアは瞳を潤ませて、再びゆっくりと顔を近づけていった。

しかし次の瞬間、オルキスの方から素早く距離を詰められ、リリアの唇が熱く奪われる。

オルキスの身体が座面から離れた。

リリアは彼の重みをゆったりと受け止めながら、自分を支える逞しい腕に身を預けるように後ろへと倒れていく。

先ほどまで座っていた場所にリリアが戻り、そのまま覆いかぶさるようにオルキスが身体を寄せたため、完全に体勢が逆転する。


「ここが寝室じゃないのが口惜しい」


甘美な声音で欲しがられ、リリアの身体の中で熱が弾け、じわりと熱く淫らに広がっていく。

繰り返される口づけで微かに響く甘い吐息は、オルキスの手がリリアの華奢な身体の線を味わうように触れたことで、初々しい嬌声へと高まっていく。