「……ん?」



頭上には白い天井。



「あ!亜実!気がついた?いきなり倒れるんだもん!びっくりしちゃったよ!」



香莉菜が慌てたように駆け寄ってくる。



「……あたし?」



どうやらここは保健室のようだ。



「急に倒れるから、保健室に連れてきたんだよー」


「はは、ごめんね。ちょっと寝不足だったからかな……」



昨日、雄大のことを考えていて気がついたらすでに外は明るくなっていた。
それでいて、今日の雄大の態度だもん。
具合も悪くなるよね。



「そうそう、新しいクラス。一緒だったよ。4組。担任も今までと変わらず、いっちゃんだよ」


「よかった」



あたしはホッとして、香莉菜に笑顔を向ける。

でも、いつものように明るくなることができない。
頭の中が大混乱で、切り替えがついていけないよ。




「いろいろあって疲れちゃった?」



香莉菜があたしの頭を撫でる。



「……香莉菜」



香莉菜の優しさに目頭が熱くなる。
本当に香莉菜は心が優しくていつも救われる。