「ねぇ、灯(あかり)さん」



健ちゃんに連れられて彼女のお店にやってきた月曜日。
昨日は健ちゃんと一緒にゲームなんかして楽しませてもらった。

彼女の灯さんは、嫌な顔せず『亜実ちゃん!』って笑顔で出迎えてくれた。

元カノのあたしなんかが健ちゃんの周りにいるなんて、嫌なはずなのに。



「灯さんなんて、なんか違和感!!灯ちゃんにしてよ」



あたしの肩をバンバン叩く。



「あ、灯ちゃん」



「で、どうしたの?」


「健ちゃんって料理関係の仕事してるんですよね?」


「そう。料理関係。健のご飯おいしかったでしょ?」


「はい。とても」



昨日と一昨日と作ってもらったご飯はどれも美味しかった。
家に置いてもらうだけでもありがたいのに、ご飯つきでいたれりつくせりだ。



「あいつとどっちがうまいかいい勝負なのよねー」



灯ちゃんが考え込む。



「はは、灯ちゃんのも食べたいな」