ちゃんと言わなきゃなんのために来たのかわからないのに今さらなにを迷ってんだろう。



「……んと、和樹」


「和樹?」


「うん。和樹とのことちゃんと考えようかなって思って」


「……そっか」


「それでよーく考えたんだ」


「考えた?」


「うん。雄大のこととか和樹のこととか」



ゆっくりゆっくりとひとつひとつの言葉を噛み締めながら、話す。
どれも大切な言葉たちだから。



「そっか」


「和樹と最近ずっと一緒にいて笑えてるのは和樹のおかげで。でも、今のままじゃ前に進めないなって思ったの」


「進めないか……」



雄大の声のトーンは変わらないから、どんな風に思っているのかはわからない。



「だから、ちゃんと雄大とお別れしなきゃって思ったの」



すべて話終えて、なんだかすっきりしてした気がした。



「あ……」



一気に話したら、喉がカラカラになって、目の前のコップに手をかけるけど、さっき飲み干したコップには当然何も入っていない。