「あたしどれだけショックだったと思ってるの!?」



あの時のこと、思い出すだけで涙がでそうになる。



「ごめんな。でも全部嘘だった。幸い籍はまだ入れてなかったから、最初からなにもなかったことにした」


「……そっか」



雄大の口からちゃんと聞くことで、真実味を帯びてきた気がする。

春樹の言葉を信じてないわけじゃないけど、雄大に言われるのと全然違う。



「俺は、亜実しかいらねぇ」


「……雄大」



雄大の言葉。
ずっと、欲しかった言葉。



「亜実は?黒川歩とどーなってんの?」


「どうだろ?」



あたしはわざとこたえを焦らしてみる。



「結婚、すんだよな。でも、俺たとえ亜実がほかの人と結婚しても好きだよ。ほかの人とか本当はすげぇ嫌だけど、自分が手放したからだらから」



雄大の気持ちに鼻の奥がツーンとなる。



「俺は亜実の二番目でもいい」


「え!?2番目!?」


「あ、亜実は芸能人の妻だから、スクープとかやばいか。まいったな……」



なんて、本気で悩んでる。