「やっぱり雄大に知られたくないか?」



春樹の言葉にこくんと首を縦にふる。



「やっぱり、亜実はいつでも雄大だな」


「……うん」



なんど心から排除しようと思っても、いなくなることのない雄大。



「あーあ、なんでいつまでもお前は俺の妹なんだろう。全部夢だったらいいのに。そしたら、俺はなんの遠慮もなく好きだって言えるのに」



あたしのことをぎゅっと抱きしめる。



「……春樹」


「まぁ、俺はちゃんと認めてんだけどな。亜実は俺の妹だって。でも、認めれない自分も出てきちまうんだよな」



はぁっとため息をつく。



「春樹があたしの兄であることは、誇りだよ?いつも見守ってくれて心強いんだよ」



あたしにとって、春樹はとても大事な存在だ。
こんな大切な人と切っても切れない縁であることが実は嬉しい。



「俺、なにやってんだろな」


「え?」



春樹の言葉の意味がわからず、首を傾げる。



「俺と亜実には切っても切れない絆があるんだよな」



あたしから体を離して、伸びをする。