「たださえ細いんだから、ちゃんと食べないと!」


「うん……」



わかってる。
でも、そんな食欲なんてわくわけが無い。



「てか、雄大なんか喋んなよ!」



雄大の背中をボンッと叩く。



「痛ぇよ、この馬鹿力が」


「ノンノン。レディにそんな言葉使っちゃいけませんねー」


「ん?レディ?どこだろ」



2人にとっては、これが普通なんだろう。
あたしと雄大にはない空気が2人には流れてる。
あたしと雄大の方が前から知り合いなのに。

この前、ランチのときにも感じたこの置き去り感。

どうしようもない虚しさが胸に広がる。



「ちょっと、亜実!?」



すごい驚いた顔をして、あたしをみてるゆず。



「え……?」


「なんで、泣いてるの?」


「あ……」



頬に触れて、涙が流れてることに気がつく。



「ちょっとトイレ!」



立ち上がって、トイレへと続く廊下に走る。



「なに、やってんだろ」



こんなとこにきて。
2人が仲良いことにヤキモチやいて。
挙句泣いて。