──お互いが大人になったら結婚しよう。



指切りをして、誓い合った愛の約束。



「あの時の誓いは守れなかったから、改めて誓いたい」



車を降りて、手を繋ぐあたしたち。



「うん」


「きちんとゆずとのこと決着つけて、また付き合うときはもう離さないから。覚悟しておけよ」


「離れるつもりなんて、ないよ」


「可愛いこと言うなよ」



あたしをぎゅっと抱きしめたかと思うと、吸い付くようなキスをされる。



「ん……雄大」


「亜実にもっと触れたいけど、これはちゃんと付き合う時にとっとくから」



前とは違う。
あの時、お互いがお互いを好きだったけど、付き合ってなかった。
でも、いまはちゃんと我慢ができる。

自分たちの欲望のまま突っ走るだけじゃない。
あたし達も大人になったんだ。

ゆずには悪いけど、ほかの人のことなんていま考えられなかった。
だって、好きなんだ。
ずっとずっと好きだったんだ。

だから、誰にも譲れない。



「大好き、雄大」



いまはこれでいい。
そう自分に言い聞かせながら、雄大の胸に飛び込んだ。