「……あ」



ドアを開けると、家の前に停まってる車に寄りかかっている雄大の姿。



「よっ!」



呑気に片手を挙げてる。



「雄大!」



あたしは堪らなくなって、雄大の元へと駆け寄る。



「お……っと」



よろめいたあたしを雄大が受け止めてくれて、そのままぎゅっと抱きしめられる。



「雄大……」


「……さっき、びっくりしたな」


「うん……」



ゆずの好きな人として現れたあたしの大好きなひと。

友達の好きな人だからと、この気持ちに蓋をしようとした。
でも、こうして触れるといとも簡単にその蓋はこじ開けられる。



「俺、やっぱり亜実が好きだ」


「……あたしも、好き」



お互いの気持ちを口にした瞬間、すべてがどうでもよくなる。

どちらからともなく、唇をかさねた。



「本当はゆずと付き合う気でいたけど、亜実に会ったらそんな気持ち簡単に揺らぐんだ」


「……あたしも、ゆずの好きな人だから諦めようとしたけどやっぱり無理で」



会わないあいだも雄大のこと、ずっと好きだった。
そんな好きな人を簡単に諦めるなんてできない。