「え、もしかして高校同じなの?」


「そ。俺は留年してるから先に亜実ちゃん卒業してっけどね」


「久しぶりで、ほんとびっ……「おい、港。どこ行ってんだよ。お前」



あたしの言葉を遮って割り込んできたひと。



「わぁ、雄大も一緒だったんだ!」



ゆずが立ち上がって、雄大に駆け寄っていく。



「……は?柚希(ゆずき)?……と亜実……」



駆け寄ってきたゆずを受け止めながら、その後ろに座ってるあたしに目を向ける。



「雄大……」


「そか、港と同じ高校ってことは雄大とも一緒か!」


「う、うん」



嫌な予感がして、怖くなる。

港ちゃんに対する態度と雄大に対する態度は全然違う。
ゆずが好きなのって……。



「亜実、いつも言ってるあたしの好きな人!」



ゆずがトントンっと肩を叩いているのは雄大だった。

港ちゃんの肩を叩いていたらよかったのに。



「恥ずかしいからやめろよ」



雄大がゆずの手を自分の肩から外す。



「えー?照れてるの?」