「亜実の連絡先交換教えて欲しい……」



雄大がポケットからスマホを出す。



「あ、うん」



信号待ち。
あたしも横に置いてあるスマホを開いて、LINEのQRコードを出す。



「亜実が俺を避けるようになって、そのまま卒業して。携帯も変えて……もう二度と会えないんだと思ってた」


「……っ」



あのあと、あたしは極力雄大に会わないようにすごし、幸いにも3年は登校がなくなったこともあり、そのまま雄大とは会わない道を選んだ。

でも、自分勝手なあたしは、それでもやっぱり雄大のことが好きで、いつもどこかで探してた。

でも、あのとき流産を経験したあたしは、そのまま雄大と幸せになるなんてできなかった。
だから、逃げた。



「亜実のことしか考えてなかったのに……このタイミングで再会するかぁー」



はぁーっと項垂れる雄大。



「タイミング?」


「亜実のこと忘れるために、仲良くしてる女の子がいたんだ。その子と付き合おうと思ってたとこだった」


「……っ」



仕方ないってわかってる。
雄大にそういう人がいたって仕方がないって。