「それでも昌也に幸せになって欲しいから、亜実が考えられるなら昌也のことも考えてあげて欲しい」


「そんなの……」



無理に決まってるよ。
昌也の気持ちを受け入れられない。



「雄大のことが今でも好きなのわかってる。でも、昌也のことも片隅でいいから入れといてあげてよ」


「香莉菜もまだ好きなのに……」



どうして、ほかの人託せるんだろう。
あたしには無理だよ。
たとえ、誰かを雄大が思っていたとしても。
その人にお願いなんてできない。



「あたしは、昌也が幸せならそれでいいの。それがあたしの幸せになるの」



いつから、香莉菜はこんなにも大人になっていたのだろう。

いつの間にかできていた、差を見せつけられた気がするよ。



「でも、あたしは雄大が好きだよ」



たとえ、雄大とは付き合えないとしても。
あたしが好きな人は絶対に変わることはない。

きっとずっと好きなんだ。

もしも、ほかの人を好きになることがあるとしても。

雄大のことは忘れることはないと思う。