「……っ」



その声はあたしもよく知っている声で。
振り向いて、すぐに声が出なくなる。



「……は?」



さっきの昌也と同じようにだんだんと開かれていく瞳。



「はは、雄大もびっくりしたよな」


「……っ、来い!」



昌也の言葉には何も答えずソファーに座っているあたしの腕を掴んで立たせる。



「ちょ……っ」



そのままあたしを連れて、店内を走って、外に連れていく。



「ほかのお客さんに迷惑だし、昌也にも!」


「違う男に愛想なんて振り向いてんじゃねぇよ!」



外にたどり着いて、すぐに壁に押し付けられる。



「とりあえず離れてよ」



息を整えながら、雄大の胸を押す。



「いやだ、離れねぇ」


「あたし仕事中なんだけど……」



お手伝いとはいえ、お金をもらってる以上中途半端なことはできない。



「なんで、ほかの男に……愛想振り向くんだよ。触るんだよ」


「……っ」



雄大の顔があまりに苦しそうで、声にならない。