「あたし達高校の時からしんゆ……「ただ同じ高校だっただけです。じゃあ、あたし出るので」



あたしの言葉を遮って、香莉菜はメイクルームから出てってしまった。



「あーちょっと、あんたメイクは!?」


「自分のメイクで今日はいいです!」



亜利砂さんの問いにそうこたえて走っていく。



「……香莉菜」


「ふたりはなんかあったの?」


「あたしは親友だと思っていたんですけど……」



知らないうちにあたしは、香莉菜に何かしていたのだろうか。



「ここに入ってきたのは彼氏と別れてからみたいなんだよね」


「わ、別れた!?」



変わらないと思っていたふたりの関係。
いつの間にか変わっていた。
変わらないものなんてなにもないだろうか。

あたしが辛いとき、香莉菜はいつもそばにいてくれていた。
それなのに、香莉菜が辛いときにそばにいてあげられなかった。

香莉菜が怒るのも仕方ないかもしれない。