「亜実ちゃーん!また来てくれてありがとう!」



次の日。
仕事が終わってから約束通り、百合さんのお店にやってきた。



「亜実さん!お願いがあるんです!今日と来週だけでいいのにここで働いてもらえませんか!?」



ただのお客さんとしてやってきたあたしに、突然手を合わせてとんでもないおねがいをしてくるだいくん。



「え!?無理無理無理!」



お酒だって満足に作れないし、おきゃくさんとのトークだってどうしたらいいのかわからない。



「いつも月曜に来てる子が1週間休むことになっちゃってね……」



百合さんも眉を下げて困った顔になっている。



「ええ……」



百合さんが困った顔をしていると、どうしてか助けたくなってしまう。



「今日は百合と一緒にいてもらうし、来週も常連しかつけないのでお願いできまさんか?」



だいくんが深々と頭をさげる。



「ちょっと、やめてよ。わかったから頭上げて?」


「本当っすか!?」



ぱあっと顔を輝かせるだいくん。

完全につい言ってしまった言葉だけど、ここまで喜ばれるとは思っていなかった。