『俺、ずっと昌也が羨ましかった』



前に雄大がそう言ったことがあったとふと思い出す。



『え?なんで?』


『香莉菜とずっと付き合ってたから』


『え!?香莉菜が好きだったの!?』



雄大の言葉に一気に不安になったんだよね。



『バカ、違ぇよ!俺には中学のときに本気になれる女がいなかったから。だからいまこうして亜実に出会えてよかったよ』



この言葉がすごく嬉しかった。

あたしは今、ずっと続いてる2人が羨ましい。



「亜実、また思いだしてる?」


「あ、ごめ……っ」



春樹の言葉にハッと我に返る。



「仕方ねぇよ」



どうしても、香莉菜や昌也の話題になると一瞬にして過去に戻される。
雄大との思い出がどんどん浮かんでくる。


このまま、思い出の中だけで思い出すなんて、嫌だ。
早く本人に会いたい。

いまでも好きな気持ちは変わらない。

どうしても好きで、辛い思い出もたくさんあったのに幸せだった記憶ばかりが甦る。